四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

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三行詩 第八十七章(憲問第十四)

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○日曜日の朝、5月14日、自宅

 

「子曰く、君子は事え易くして説ばしめ難し。これを説ばしむるに道を以てせざれば、説ばざるなり。その人を使うに及びては、これを器にす。小人は事え難くして説ばしめ易し。これを説ばしむるに道を以てせずと雖も、説ぶなり。子路二十五」

 

「孔夫子はいわれた、君子に仕えるのは易しいが、君子の心に沿うように仕えるのは難しい。君子は、恒に正しき道に従って考え、行動しなければ喜ぶことはない。そして仕える場合に君子は、その人の度量、能力を器のように把握するので無理なく仕えることが出来る。」

 

「一方、小人とは、私利私欲の塗れていつも自分さえ良ければいいと考えているので仕えるのが難しい。しかし、喜ばせるのは簡単である。小人は正しい道に従っていなくても、阿諛追従、目先の利益さえあればご機嫌になり、心の底から喜ぶからだ」

 

#三行詩 #論語

 

○日曜日の午後、自宅

 

「小人に仕えることこそ悲惨な生き方はない、多能工化、器以上、数人分の仕事を当たり前に強制」

 

「頭の良い小人に注意、言葉は誠、行いは私利私欲、地獄の使い」

 

「人が辞め続ける会社で残るには、類友、自らも小人になるか、使い捨てられるまで居るかだ、転職こそ」

 

#三行詩

 

○日曜日の午後、ウオーキング

 

「雨の森を歩いている、デイヴ・ブルーベック、THREE TO GET READYを聴いている」

 

「雨は不思議とジャズが合う」

 

ブルーノート・レーベルにハズレなし、皆、ここからジャズに入り、また、戻ってくる」

 

#三行詩

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○日曜日の午後、森

 

「誠も、正義と同じく善悪を問わない、悪人たちにも正義があり、誠がある」

 

「昨今、善人と悪人の境が曖昧になっている、善良な市民が、教師が、ある日を境に犯罪者へ」

 

「善良な人たちとは、何をもって善良なのか、不思議だ、絶えず学ばぬ者がどうして善足り得ようか」

 

#三行詩

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○日曜日の夕方、森

 

「組織に忠誠を近い、善悪の垣根を越えることに美しさを覚える」

 

「組織と個、何れにせよ、根底に父母からの慈愛があれば良い、この価値観抜きに垣根は越えてはいけない」

 

「人として根本が消えつつある、一つ、人の性とは善である、故に他人ではなく自らに問うこと」

 

#三行詩

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「道徳が曖昧となっている、周りを見て合わせるほうが楽だ、悪いことはしていない」

 

「考えない(れない)人が増えている、仕事も娯楽も次の到着点がなければ動けない」

 

「逆説的ながらも自ら考える悪人にはヒーロー像すら抱く、考えるとはそれだけ中身が濃く、人を惹きつけるが、手間で面倒くさい」

 

#三行詩

 

「世の中が認める百善より、自ら考えて行う一善に全てをかけるべきだ」

 

「孔夫子の教えとは、とても深く面白い、考えれば次が浮かぶ」

 

「考えるとは学ぶことであるし、学ぶことは考えることだ、人生経験が膨らみを増す、学問とは苦しくも楽しい」

 

#三行詩

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○月曜日の朝、通勤

 

「子曰く、君子は泰にして驕らず、小人は驕りて泰ならず。子路二十六」

 

「孔夫子はいわれた、君子は泰然として驕慢とは遠く、小人は驕慢であり泰然から遠い」

 

「目先の私利私欲に囚われていてはいけない、道を歩むとは恒に孔夫子の教えを学ぶ、考えること」

 

#三行詩 #論語

 

○月曜日の朝、乗り換え

 

「朝、孟子を読んでいた、やはり心にピタリとくる、孟子は良いものだ」

 

「座っていると眠気、いつもと同じ光景、少しずつ老けながら今日も通勤している」

 

「いつか居なくなるが、相変わらず電車は動き、駅は人で混み合うのだろう」

 

#三行詩

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○月曜日の朝、電車内

 

「人の、時代の蜿(うねり)に今日も呑み込まれては、なんとか浮いている」

 

「いつかは、天国なる処でゆっくりと温泉でも入っているのだろうか」

 

「否、業と縁の世界で生き死にを繰り返しつつ、今日も暗やみの内で目をギラギラさせている、人とは斯くあるべき存在だ」

 

#三行詩

 

○月曜日の朝、一休み

 

シェイクスピアを英語で読みたい、漢詩を白文で味わいたい、全くだ」

 

論語を白文で理解したい、最近そうは思わない、日本語で書かれた良い本(明治書院)をじっくり読みたい」

 

「中身を理解するのが主の本で、白文を読めることを誇る人もいる、凄い人だ、尊敬する」

 

#三行詩

 

「ただ、四書五経を白文で読むとは酷い、普通の人は無理な芸当だ」

 

「私は若い頃、中国に住んでいたので言語的には理解しやすい、でも白文で読もうと思わない」

 

漢詩とは違う、実学として学ぶのに母国語の良書があるのに、そこを誇ろうとは思わない」

 

#三行詩

 

○月曜日の夕方、通勤

 

「子曰く、剛毅朴訥、仁に近し。子路二十七」

 

「孔夫子はいわれた、強い意志を持ち善を貫き通す、表裏のない性格で言葉を飾り立てない、仁に近い」

 

「巧言令色とは真逆、一つで貫いているからこその剛毅木訥といえる」

 

#三行詩 #論語

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○火曜日の朝、通勤

 

子路問いて曰く、何如なるをかこれこれを士と謂うべき。子曰く、切切偲偲怡怡如たる、士と謂うべし。朋友には切切偲偲、兄弟には怡怡如たり。子路二十八 」

 

子路が問う、士とはどのような人ですか。孔夫子はいわれた、思いやりをもって、誠を尽くし、常に和らでいれば士といえる。朋友を励まし、兄弟には優しくすることだ」

 

「弟子の子路は剛毅果断の人柄故に、孔夫子はこのように諭された。武人であり背も高く筋肉質の子路だけに、周囲に誤解されることが多かったかも知れない。和らいだ顔をした子路の顔を見てみたくなる」

 

#三行詩 #論語

 

○火曜日の朝、乗り換え

 

「子、中間試験につき、続けて夜食ばかり食べて深夜まで起きていた、こちらも寝不足」

 

「豆腐メンタルのくせにのん気で行動が遅い、やきもきする」

 

「と、親も親バカだ、ため息をついて気持ちを仕事へと切り替える、こちらはなんとかなる」

 

#三行詩

 

○火曜日の朝、電車内

 

荀子によれば、悪人に対しては沈黙も仁とする、倒すのではなく沈黙でも良い」

 

付和雷同はいけない、かといって直言極諫すれば、我が身や親族に害が及ぶ」

 

「沈黙寡言も仁だ、嫌な奴や、悪人はこうしよう、ただ、夫婦関係なら早急に謝るのが得策だと思う」

 

#三行詩

 

○火曜日の夕方、通勤

 

「子曰く、善人、民を教うること七年ならば、亦以て戎に即かしむべし。子路二十九」

 

「孔夫子はいわれた、民を戦に赴かせるのであれば、七年は教育が必要だろうて」

 

春秋戦国時代だ、民は徴兵され、否応もなく戦場に駆り出される中で、七年間は教育が必要だと孔夫子は述べられた。民を戦場に赴かせる、戦争に対する孔夫子の思いが伝わってくる」

 

#三行詩

 

○火曜日の夕方、乗り換え

 

「今夜も形意拳三体式左右各十五分と荀子を読もう、鍛錬と息抜きは必要だ」

 

「沈着であるとは難しいが、寡黙は意志の力で行なえる」

 

「一度発した言葉は取り返しがつかない、人に明晰さを示すよりは朴訥でありたい」

 

#三行詩

 

○水曜日の朝、通勤

 

「子曰く、教えざる民を以て戦う、これこれを棄つと謂う。子路三十」

 

「孔夫子はいわれた、七年の教育を経ずに、民を徴兵し戦わせるとは、命を捨てるようなものだ」

 

「当時の悲惨な状況が垣間見える、孔夫子は戦争と暴君に悲憤されている」

 

#三行詩 #論語

 

○水曜日の朝、電車内

 

荀子にある、自らの領域を自覚し、その内で行うこと」

 

「小人は、自らの領域の外を求める、欲しがる、手に入れようとする、足掻き続ける、怨む、奢る」

 

「現実主義、何ごとにも規律を意識する、恒に学ぶ、積み重ねる、自らの領域を広げる、手に入れる」

 

#三行詩

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○水曜日の朝、乗り換え

 

「職場の知人が仕事を辞めるらしい、兼ねてからロトくじが当たれば辞めると公言していた」

 

「当った?、曖昧な笑顔で答えず、バカンスはドバイとか?」

 

「人差し指を上に向けた、今は宇宙だよAさん、と満面の笑み、うーん、よく分からない」

 

#三行詩

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○水曜日の夕方、通勤

 

「憲、恥を問う。子曰く、邦道あれば穀す。邦道無きときに穀するは恥なり。憲問一」

 

「弟子の原憲(子思)、恥について問う。孔夫子はいわれた、仁徳に基いた正しい政が行われていれば、国に仕えて良しとする。しかし、仁徳に背く、非道な政が行われているのに、国に仕えることは恥とするべきだ」

 

「政治とは民の為に存在するのであり、その為に民は重い税金を収めている。この根本を省みず、民を虐げ、私利私欲を、自らの名誉を満たす為に他国を侵略し、さらなる重税を民に課す政治を行う王や官僚に、どうして仕えることが出来ようか」

 

#三行詩 #論語

 

○木曜日の朝、通勤

 

「克・伐・怨・欲、行われざる、以て仁と為すべし。子曰く、以て難しと為すべし。仁は則ち我知らざるなり。憲問二」

 

「人に勝ちたい・人に自慢したい・恨みを懐く・欲深い、これらがなければ仁といえますか。孔夫子はいわれた、

人がその四つを無くすことはとても難しい。そして、そうなったとしても仁であるかは私は知らない」

 

「自らを公正無私に誠とし、人を思いやるのが仁であり、悪徳を無くすことが、即ち仁とは限らない。孔夫子の教えは、曖昧さを嫌う。目的は何か、何の為の仁と忠恕か、天下の苦しむ民を救う為であり、その為にまず自らの徳を広げる、悪徳を無くす、であれば仁に近い」

 

#三行詩 #論語

 

○木曜日の朝、乗り換え

 

荀子が凄く面白い、孔夫子の教えがたくさん書いてある」

 

「体系化した学問を持たねばならない、数撃ちゃ当たるでは、単に本を読んだ人で終わる」

 

「学問とは目的をしっかりと持つこと、漫然と学ばない、積み重ねること」

 

#三行詩

 

○木曜日の朝、電車内

 

「トイレの鏡、四肢は痩せてお腹がぽっくりと出ている、ああ、亡父に似てきた」

 

「子が何か悩んでいる、中二だから当然か、問うても話さない、親バカなので心配だ」

 

「一生を学び、墓で休め、出典が荀子とは知らなかった、学ぶとは生きることだ」

 

#三行詩

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○木曜日の夕方、通勤

 

「子曰く、士にして居を懐うは、以て士と為すに足らず。憲問三」

 

「孔夫子はいわれた、志を抱いた志士ともあろう者が、家庭や故郷を思い、天下の為に尽力出来ないとは、とても志士とはいえない」

 

「孔夫子の教えとは、実践ありきであり、今回は孟子よりの意訳となった。荀子よりであれば、国家に仕えるにあたり、家庭や故郷に心が惹かれるようでは士とはいえない、となる」

 

#三行詩 #論語

 

○木曜日の夕方、乗り換え

 

「忙しかった、しかし沈着冷静に執り行う、イレギュラーに心を乱されない」

 

「冷や汗で服がびっしょりに、ストレス度は高かったらしい」

 

「自らが正しいと思うことを行う、信念があれば心は折れず、怒りも湧かない」

 

#三行詩

 

○金曜日の朝、通勤

 

「子曰く、邦に道あるときは言を危しくし、行いを危しくす。邦道無きときは行いを危しくし、言は孫う。憲問四」

 

「孔夫子はいわれた、国が仁徳に基づいた政を行っているときは、正直に発言し行動する。国が仁徳を省みない悪政を行っているときは、正直に行動するも、発言には注意しなければならない」

 

「トップが私利私欲に塗れた社会(国・会社・組織)では、讒言、誹謗、中傷を好む輩が多く蔓延っている。その中で馬鹿正直に正道を述べて何になろうか。生活の糧を得る為にも、行いは正しく、言葉は慎むこと」

 

#三行詩 #論語

 

○金曜日の朝、乗り換え

 

「薄着、お腹が冷えた、腹痛、鞄でお腹を温めながら早足でトイレへ、途中同じ格好の人がいて共に駅構内のトイレへ急ぐ」

 

「途中、若い女性で腹出しの人を見かける、宇宙人ではなかろうか」

 

「時間と場所、靴をみれば、大雑把にはどのような人かわかる、滲み出ている、推理とは事実の積み重ねであり科学的考察に基づくものだ」

 

#三行詩

 

○金曜日の夕方、通勤

 

「子曰く、徳ある者は必ず言あり、言ある者は必ずしも徳あらず。仁者は必ず勇あり、勇者は必ずしも仁あらず。憲問五」

 

「孔夫子はいわれた、仁徳のある人は必ず善いことを話すが、善いことを話す人が必ずしも仁徳を備えるわけではない。仁者とは必ず勇気があるが、勇気がある人が、必ずしも仁徳を備えているわけではない」

 

「仁徳に私心なし、故に言葉を発せば善いことになるし、救わねばならぬ民の為に無限の勇気を奮う。一方、小人とは口だけで善いことをいうし、私利私欲の為に蛮勇を振るう」

 

#三行詩 #論語

 

○金曜日の夕方、乗り換え

 

「出過ぎたミスあり、足らぬミスあり、結果を認め、PDCAを繰り返すのみ」

 

「お腹が空いた、自家製ポテトサラダをどう料理するかで思考が奪われている」

 

「リアルな仁、荀子を学んでいると、斯くあらねばならない姿が見えてくる」

 

#三行詩

#PDCA Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、1950年代、品質管理の父といわれるW・エドワーズ・デミングが提唱したフレームワーク

 

○金曜日の夕方、電車内

 

「仁徳に薄き人とは、その場限り、その場しのぎで失敗を認めない、自らを省みない」

 

「孔夫子の教えとは、見事なまでにPDCAを繰り返す」

 

「人の能力、徳の有無とは大して変わらない、学ぶ、実践する、省みる、続けるかどうかによる」

 

#三行詩

 

○土曜日の午後、ウオーキング

 

メタリカのクリーピング・デスを聴きながら穏やかな時を過ごしている」

 

「妻と子は用事で出掛けた、晩飯も食べて帰るとか」

 

「歩くと暑い、デカ頭なのでバケット帽子XLを載せている、3XL以上でないと入らない」

 

#三行詩

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所感)

■金曜日の夜、FSS(フアイブスター物語)

1巻は消えた、2巻から16巻まで読み直している。

とても面白い。

高一、15歳からのファンだ。中々発刊されない。

当時は銀河英雄伝説にもハマっていた(今も熱心なファンであり、アイゼナッハ提督に心酔している)。

3~5年に一度の発刊故に、高校、予備校、大学、社会人、37年間の付き合いになる。

各々の時間軸で楽しんでいる自らを振り返り、52歳の今を実感している。

たまには、こういう時間が楽しい。

 

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