四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

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三行詩No.154 (顔淵第十二②)

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○日曜日の夕方、10月6日、自宅

 

❖ 君子とは何か

 

何以文為矣、

 

(棘子成はいう、君子とは本質が優れていれば良いのです)形式的なもの、或るいはお飾りで、君子ともあろう者が何を為せましょうか。

 

「貴族の棘子成のいう君子の本質とは、(生まれ育ちからくる)徳性であり、文とは、外観、飾り(礼楽)、後付けに過ぎない、本来の君子には不要なものです、と、丁寧な口調ながら暗に儒家を『似非君子め』と馬鹿にしている、なんて嫌な奴なんだろう」

 

#論語 顔淵八

 

○日曜日の夜、自宅

 

❖ 休日はローマに遊ぶ

 

「終日、『ローマ人の物語』を読み、読書に飽くとアマプラVでドキュメンタリー(動物・恐竜)を観ながら午睡する」

 

「ローマ人・・を読むと、何故かSFCゲームのポピュラスシムシティを思い出す」

 

「同時並行で中公文庫『世界の歴史2、ギリシアとローマ』も読み進めている、副読本は読む世界を広げるように思う」

 

#三行詩

 

❖ やっかみから自爆へ

 

「世に『ローマ人の物語』への批判があることも知る、学識者からは一部間違っていると」

 

「塩野先生は文中で自らを小説家であり(歴史の)シロウトと述べられている」

 

「学識者の書く『ローマ史』と塩野先生の『ローマ人の物語』、どちらが面白いのか明白だ」

 

#三行詩

 

○月曜日の朝、通勤

 

❖ 貴族の傲慢に対して

 

子貢曰、惜乎夫子之説君子也、

 

(棘子成の君子とは本質であり文『礼楽』は無用との言葉を聞いて)子貢はいう、棘子成のいう君子の説明は間違っています。

 

「『惜乎夫子之説』(直訳すると、その説は惜しいものですね)と、大夫である棘子成を(一応)立てているのは何ごとも如才なき子貢らしいが、次に続く言葉は、遠慮など微塵もなく棘子成を責め立てる」

 

論語 顔淵八

 

○月曜日の午後、一休み

 

❖ 変わらない不平等

 

「『ローマ人の物語』を読み進めている、やはり孔夫子(BC552〜BC479)を思う」

 

古代ローマの共和制期(BC509〜AC27)は中国春秋戦国時代(BC770〜BC221)と重なる」

 

「奴隷(貧困)、市民、貴族の社会構造は、現代・資本主義になっても変わらない、呪いなのか」

 

#三行詩

 

○月曜日の夜、自宅

 

❖ 螺旋する道徳

 

「結局は被支配層が望む道徳は、終には支配層を、そして社会全体をも呑み込んでしまう」

 

「そして道徳は、被支配から支配へとその本質を変えてしまう」

 

「被支配層は再び”、自らが望む道徳を亜流として数多く派生させ、淘汰されたものが再び全てを呑み込むのだ、グノーシスであることは必然か」

 

#三行詩

 

○火曜日の朝、通勤

 

❖ 子貢の指摘

 

駟不及舌、

 

(棘子成のいう、君子は質であり文は無用との弁に対して、子貢はいう)貴公の舌禍は、四頭立て馬車の速度より早く世の中に広まりましょう。

 

「四頭立て馬車の速度とは当時最速、さらに威丈高の意、大夫棘子成の無知・無能振りは、瞬く間に世の中に知れ渡るでしょう、大夫(家老)がこんな無能とは、衛の国も大したことありませんな、と子貢は暗に述べている」

 

#論語 顔淵八

 

○火曜日の午前、一休み

 

❖ ローマからボーグへ

 

「ローマ人は敵を同質化する(ローマ市民として対等に向かえる)ことにより広大な地を支配した」

 

「移民を受け入れてきたアメリカ合衆国の強みと既視感はある、しかしあくまで同質化は人に限られる」

 

新スタートレックに登場する、全てを同質化するボーグこそ生物の究極の姿、人類の未来像か」

 

#三行詩

 

❖ 変異する無双

 

ピカード艦長の能力も同質化すれば全てボーグ・クイーンの支配下に出来る、まさに無双だ」

 

「FCゲームのナムコ三国志は裏技があり、戦闘画面で敵の兵を吸収出来た、これも無双か」

 

アトランティスの謎は、無敵コマンドの上で尚且つ死にゲーである、これこそ開発者無双だ」

 

#三行詩

 

❖ 来たるべき未来

 

新スタートレックのテーマは、もちろんピカード艦長と仲間たちの冒険談である」

 

「同時にアンド口イドである、データ少佐の成長物語でもある」

 

「人間の感情、物ごとへの喜怒哀楽こそが人生であり、川の流れの如くやがて仲間は消え去る、そして少佐は永遠の冒険の中でいつか、人間となるのだろうか」

 

#三行詩

 

○火曜日の夕方、通勤

 

❖ 紛う方なき真実

 

「何をする人なのか、とは自ら仕方なく強いられてを問わず、その人そのものとなる」

 

「仮に、営業職であれば『Sales-man』であるし、興行師であれば『Show-man』、雨なら『Rain-Man』、晴れ男は『Sunshine-Man』だ」

 

「何れもお好みに合わないなら、何故、私は『Man』であると言わないのだろう、これこそ紛う方なき真実ではないか」

 

#三行詩

 

❖ 人間の本質

 

「私は人間です、では世の中通じない、何故ならこの星では人間と人間以外で区別されているからだ」

 

「では、私は道徳(忠恕、自らを誠にして人を思いやること)を学び、実践を心がけている人間です、ではどうだろう」

 

「職業がどうしたというのか、人間の本質は道徳にあり、私は人間です、と述べることは正しいのだ」

 

#三行詩 #論語

 

❖ 自ら考える大切さ

 

「人間は人間である、しかし自己肯定を他人に求める人の何と多いことか」

 

「性善、性悪、もはやどうでも良い、人間とは自ら考え行う生き物ではないか、どうして他人の顔色を伺い善悪を選ぶのか」

 

「人間とは、源にある道徳・徳性を広げることにより自ら完成するのだ、他人ではない」

 

#三行詩

 

○火曜日の夜、自宅

 

❖ 狂気の連鎖

 

「多様性を否定する、異端を否定することが正統正道唯一の道とする時代があった」

 

「先人の連なりを否定するに等しい、一道に達した先人も最初は異端、多様性の一から始めたのだ」

 

「暗黒の時代、安全なところから精神論で140万人の将兵を餓死させた人たちがいた」

 

#三行詩

 

❖ 甦る狂信者

 

「自らは正義であると微塵も疑わない、省みることなき義は義ではない、もはや暴だ」

 

将兵の140万人を餓死させて反省もなく、更なる将兵、国民の犠牲を厭わない」

 

半藤一利さんのいう、『タコツボ社会における小集団主義の弊害』の系譜を継ぐ者が今もいる」

 

#三行詩

 

❖ 歴史とは、正しく学ばねばならない

 

昭和史、暗黒の時代の教訓を半藤一利さんは以下語られている。

 

1、国民的熱狂をつくってはいけない、流されてしまってはいけない。

2、抽象的な観念論のみを主体とし、具体的且つ理性的方法論を検討すらしなかった。

3、日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害。

4、国際社会のなかの日本の位置づけを客観的に把握していなかった。

5、何か起こった時の、対処療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想。

平凡社刊『昭和史1926▶▶1945』より要約

 

○火曜日の夜、自宅

 

❖ 真実は何処か

 

「歴史を学ぶとは善人を褒めて悪人を貶すことではない、その善悪は時代により変わる」

 

ヒトラーナチスは合法的手段(選挙を経て)で生まれた、戦後、個人や組織のせいとするには余りにもその罪は大きい」

 

「絶対的悪とは戦争であり、理不尽に虐待される弱者、集団はあってはならない、間違っている」

 

#三行詩

 

○水曜日の朝、通勤

 

❖ 君子論と学問の道

 

文猶質也、質猶文也、

 

(子貢はいう)君子の学ぶ先王の教え、礼楽とは、君子の本質(徳性)であり、本質(徳性)とは先王の教え、礼楽を学んでこそ本質(徳性)なのです。

 

「君子とは学問の道(質・文)から生まれるものであると子貢は説いている」

 

#論語 顔淵八

 

○水曜日の朝、一休み

 

❖ 悪の傍系

 

アーレントの述べるアイヒマン裁判に視た凡庸な悪とは、日本では少し違和感を覚える」

 

731部隊は凡庸な悪だ、彼らは戦後も余生を全うした、では140万人の味方を餓死させた大本営参謀本部はどうか」

 

「凡庸な悪とは任務遂行能力はあった訳だが、彼らはその能力すら欠けていた、味方殺しの三流の悪、軍のエリートがこの惨状とは」

 

#三行詩

 

❖ 亡国の内部抗争

 

「幸い私たちは後世の人間として歴史の俯瞰像をみることが出来る」

 

皇道派と統制派、陸軍と海軍、軍部内部での権力抗争に追われ、戦争の遂行以前に、やたら有為の人材を左遷・放逐し、軍部という組織自体が危機的状況にあった」

 

アテネポリス末期の衆愚政治が思い浮かぶ、人材はいたのに制度が許さず、結局はアテネは滅んでしまった」

 

#三行詩

 

○水曜日の夕方、通勤

 

❖ 興国の入り口付近

 

「亡国の危機とは、外的要因というきっかけは有るにしろ、結局は内部から崩壊していくことに変わりはない」

 

「具体的且つ理性的方法論を検討する、解決策はシンプルで良い、PDCAで回せば継続性も付いてくる」

 

「伝統のお国芸、対処療法が最善とは限らない、原因療法をコツコツと積み上げることから興国の機会となる」

 

#三行詩

 

❖ 戦火の教訓

 

「歴史の積み重ねが、斯くあるが如く軍部の暴走に繋がり、国民的熱狂が更なる後押しをした」

 

「狂乱の時代、と片付けるには余りにも多くの血が流れ過ぎた」

 

「戦後七十年を経て、世界中で国家間の戦争が起こり火種が燻っている、歴史は学ばねばならない」

 

#三行詩

 

○木曜日の朝、通勤

 

❖ 虎豹の毛と犬羊の皮

 

虎豹之鞟、猶犬羊之鞟。

 

(君子の質(徳性)と文(礼楽)とは)高価な虎豹の毛皮(君子の比喩)でも毛(文)を毟ってしまえば、犬羊の皮(質)と変わらなくなることと同じこと(質文あってこその君子)です。

 

「虎豹の皮を君子とし、棘子成のいう質のみの君子を犬羊の毛を毟った皮の様なもの、という子貢も中々辛辣であるが、以前に礼楽なにものか、と儒家を馬鹿にした棘子成こそ報いではないか、短い句であるが子貢の人となり、才知の長けたところが伝わってくる」

 

#論語 顔淵八

 

○木曜日の朝、乗り換え

 

❖ 善悪の構造と働き

 

「絶対的悪とは戦争である、絶対的善とは父母からの慈愛だ」

 

「悪の根本は全体(集合による利己心)にあり、善の根本は個(一人の人)にある」

 

「戦争(集団意識)を無くすには一人一人の善性(性善である個)の働きが必要なのだ」

 

#三行詩

 

○木曜日の朝、一休み

 

❖ 隠せない生き様

 

「顔には業が現れる、これまでの生き様とでも」

 

「街中を歩くと(今朝)、ごく偶におぞけが走るときがある、何と凄まじき業だろう」

 

「業があるなら仏様もいるかも知れない、合掌」

 

#三行詩

 

❖ デジタルのサバンナ(弱肉強食の世界へ)

 

「文章とはその人、そのものが表れるものだ、いくら飾ろうが言葉から滲み出ている」

 

「故に、SNS(X)は面白い、本人の顔姿は見えなくとも、どんな人物であるかは容易に想像がつく」

 

「心は言葉に、言葉は文字へ、毀誉褒貶など関係ない、ここはサバンナであり多様性の宝庫だ」

 

#三行詩

 

❖ アテナ ポリス(都市国家)から現代へ

 

「政治家や富裕層に直接意見を述べれる場がある、手軽に日常的に垣根なく」

 

SNSは政治を国民に近くし、共有化により社会そのものを変える、『直接参加型市民』を誕生させる可能性を秘めている」

 

「一市民が対等に、政治家や資本家にものを言える時代へ、これこそ民主主義だ」

 

#三行詩

 

○金曜日の朝、通勤

 

❖ そっくりさんと聖徳太子

 

哀公問於有若曰、

 

魯の君主である哀公、孔夫子の高弟である有若に問う。

 

「有若は孔子に風貌が似ていたらしい、学而第一に『有子曰、禮之用和爲貴』(礼の用とは和を以て貴しとなす)とある、この言葉は聖徳太子、十七条憲法第一条の原文でもある』

 

#論語 顔淵九

 

○金曜日の朝、乗り換え

 

❖ 通勤の風景1

 

「電車で毎朝向き合っている、しかしお互い(何となく)性が合わないので目線を避けている」

 

「理由はわからない、ゴツい身体に毛深い腕、マスクからはみ出した鷲鼻、黒眼鏡の七三カット、大きなクシャと繰り返されるため息、」

 

いけ好かない、顔は草食動物でも身体は肉食系、横柄さが滲み出ている(お互い様だろう)」

 

#三行詩

 

❖ 通勤の風景2

 

「子供の頃、近所にテニスコートがあり、横にある赤土を積み上げた倉庫でよく遊んでいた」

 

「赤土の匂いが鮮明に甦る、冷やりとした触感も」

 

「二つ下の妹を連れて来たり、友達と砂山の上から滑ったり、何故、思いだしたかはわからない」

 

#三行詩

 

所感)

■つれづれ

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土曜日の夕方、古き友人たちと梅田に集まり、酒を呑みマグロを喰らう。

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毎日新聞社ビル内にあり、土曜日の夕方であったせいか客も少なく、ゆっくりと会食する。
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のち、カラオケ屋さんで3時間、呑んで歌う。

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楽しき一夜だった。

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