四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

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三行詩No.155 (顔淵第十二②)

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○月曜日の正午、10月14日、自宅

 

❖ 周公旦の教え

 

年饑用不足、如之何、

 

(魯の国の君主、哀公、有若に問う)今年は国中が飢饉であり、民が納める穀物が少なくて困っている。何か良い(儒家の)方法はないものか。

 

「本当に困っているのは何方か、かの周公旦が建国した名門、魯の国でも代々の世襲制で引き継がれた君主は、もはや凡庸であり、君主足るに一番大切な思い、民こそ国であることを失念している、次に有子は滔々と、この思い、そして君主として為さなければならない本質を述べる」

 

#論語 顔淵九

 

○月曜日の午後、自宅

 

❖ 歴史を読む

 

塩野七生さんの『ローマ人の物語ハンニバル戦記』を読んでいる、全43巻が目の前にある」

 

共和制ローマ史は、後の帝政直前の過渡期であり、組織を上にするリーダー(ローマ)と天才(ハンニバル)との戦いだ」

 

「人類屈指の戦争の天才相手でも、組織に勝ち続けることは出来ない、時は今だけではない」

 

#三行詩

 

❖ 王と民の時代へ

 

「なるほど、天才は一戦場にて劇的な勝利をもたらし歴史を変えることは出来る」

 

「では変えた後をどうするか、国を治める、強くするに、どう『公的道徳性』を組織、社会全体が持ち得るかによる」

 

「歴史は、結局は強力なリーダー一族を君主に抱きつつ組織の意志を汲む形態で近代まで進む」

 

#三行詩

 

❖ 日本人と朱子学

 

「ローマ史を読んでいると、安土桃山時代を思うことが多い」

 

「集団を率いるには優秀なリーダーが必要であるが、その後は重層的な組織と社会に新しき価値観、道徳が必要なのだ」

 

江戸幕府がそれを朱子学に求めたのは、ある意味必然だと思う」

 

#三行詩

 

○月曜日の夕方、森

 

❖ 帝国の衰退

 

「道徳、宗教とくれば古代ローマ時代は多神教であり、八百万の神がいる日本人であればその多様性は理解しやすい」

 

一神教多神教、どちらを宗教、道徳とするかは国の道徳、政治に大きな影響を与える、多様性を受け入れるか否か、現代でも同じだ」

 

「やがてローマ人は多神教(多様性)ではなく、一神教(均一性)の道徳観を選ぶ、維持が困難な広大な領土、経済の疲弊、内部の腐敗、帝国の衰退は新しき宗教を興隆させ政治を変える」

 

#三行詩

 

○月曜日の夕方、喫茶店

 

❖ 人、人、人、そして歴史へ

 

「歴史を読む、学ぶとは核であるそれぞれの道徳、宗教(均一性or多様性の違い)を学ばなければ年表以上の価値を持たないのではないか」

 

桶狭間に出陣する前に独り敦盛を唄った織田信長然り、無宗教という選択も宗教(道徳)であることに変わりはない」

 

「物差しをいくつ持つのかによる、或いは物差し一刀でぶった斬るのも一興かも知れない、何れにしろ思考するタネの宝箱であることに変わりない」

 

#三行詩

 

○月曜日の夜、自宅

 

❖ 裏金と特権意識

 

「選挙の重要性は理解している、しかし裏金を掴みながら反省もなく、当選後は復讐だと狼煙を上げる議員団とは如何なものか」

 

「政治に金はかかる、私は悪くない、なら誰が悪いのだろう」

 

「このような裏金議員が当選出来得る選挙制度、そして選挙権を持つ国民全てを馬鹿にしているとしか思えない、失望しか感じない」

 

#三行詩

 

【言葉】裏金=政治資金規正法違反

 

❖ 偽りすらしない腐敗、この世の春よ再び

 

「清濁併せ呑む、という言葉がある、俗に大人物や政治家を指すらしい」

 

「裏金、逆切れ、復讐、このような人たちが(大)人物だろうか、『国民の為』はとうに蒸発し、権力抗争の倫理観しかない」

 

「民主主義、多様性の看板の裏には、特権意識の汚職政治家ばかりとは、何たる惨状だろう」

 

#三行詩

 

○月曜日の夜、自宅

 

❖ 目的と手段、徳性への回帰

 

儒学を学ぶと単純なことに気付く、その事象・物ごとの本来の目的は何か、ということだ」

 

「世の中、etc.etc.etc.etc.etc.....に満ち溢れている、目的が忘れ去られ手段が目的と化した、ゴールなき取り組みの何と多いことか」

 

「目的を見失うから精神論にも走る、儒学とは目的に対する具体的且つ理性的方法論に尽きる」

 

【補足】etc①健康が目的のダイエットが体重減少が目的なる。②学ぶ、自らを成長させる為の勉強が大学合格で終わる。③仕事を通じた社会貢献が目的なのに出世や昇進が仕事の目的となる。④国民が幸せになることが目的なのに経済成長に突き走り環境破壊や格差社会をもたらした。⑤子供の成長、個性や多様性を培うことこそ教育の目的なのに入試制度に向けてが全てとなる。

 

#三行詩

 

❖ 目的と手段、四端の心へ

 

「結局は全体の幸せ(仁徳)、こそ目的であり、自らを誠にして人を思いやる(忠恕)こそ手段だ」

 

「二千五百年前に生きた孔夫子の教えは道徳の勧めであるが、人の本質である、性善を活かす道(人の生きる目的)を説かれた」

 

「システム論とかカタカナ付く理論ではない、仁・礼・義・智の四徳に全てが述べられている」

 

#三行詩

 

○火曜日の朝、通勤

 

❖ 有子の提案

 

有若対曰、盍徹乎、

 

(哀公から飢饉が発生して税が少なく困っている旨、対策を問われて)有若はいう、民には十分の一の税を課しましょう。

 

「暴政の春秋戦国時代、税は五割を越えることも珍しいことではなく、且つ、農閑期、関係なく強制的な徴兵が行なわれていた、飢饉なくとも道端には餓死した老人や子供が放置されてる中で、民の税を軽くして飢餓の被害を少なくすべきですと述べる有若、次に哀公は答える」

 

#論語

 

○火曜日の朝、乗り換え

 

❖ 智に関して1

 

孟子の四端は、普通は仁義礼であるが、私は度々仁礼義智と書く」

 

「大雑把なだけかも知れない(仁徳の発露の順からいえば義よりも礼が先にくるはずだと思っている、別の機会にて)」

 

孟子の四徳で、特にわかりにくいのが智とされる、四徳は全て仁徳の分かれだ」

 

#三行詩

 

❖ 智に関して2

 

「四徳の智は沼だと思う、深く入ると抜けられない、囚われてしまう(氷山の一角かも)」

 

「一般的には世界の理(真実)を知ること、であるが、理は時代とともに気となり心ともなる」

 

「現代の大先生を以てしても、わけわからん(解釈が無数にあり決定打が見当たらない)らしい」

 

【言葉】氷山の一角/智の追求は無限に続く(答えの無いのが答えなのだろうか)

【言葉】孟子の智/是非の心、道徳的判断、自己実現(人の性、善により、人は本来備えている)

 

#三行詩

 

❖ 智に関して3

 

「私も智の沼で藻掻きまくっている、学問は自らの積み重ねの分でしか答えは出ない」

 

「過去の大先生の上澄みをそのまま述べる識者もいるが、私は『わけわからん』と述べた大先生派だ」

 

「間違いかどうかは数年先の自分に譲る、今の私の智は、本来の目的と手段を正しく知ることだ」

 

#三行詩 #浅学非才

 

火曜日の午後、一休み

 

❖ ブログ・リニューアルのお知らせ

 

「ブログ読者数の減少は否定出来ない、最近の儒学から歴史・哲学・思想を深掘りした内容は、既存の読者層が求めるところではないらしい」

 

「以前のような、論語の意訳と日常をテーマにした三行詩主体に戻ることを検討している」

 

「ニッチ過ぎるテーマは人を選び、最後には読者は知人・縁者のみではモチベーション低下、ブログ廃止に繋がりかねない、PDCAを回すとする」

 

#三行詩

 

■トライ・アンド・エラー

色々リニューアルする予定です。

・三行詩は、当分の間は更新しません。

・当ブログの本来の目的は、儒学を学ぶ手段として始めました。一旦初心に戻り、論語に集中します。