○日曜日の午後、喫茶店
「家族連れが名を名乗り、投資の説明を受けている、相手は名うての営業マンと思われる」
「ああ、なるほど、売ろうという気配無く、日常会話から見事に客の情報を把握する話術の上手さ」
「イケメン、長身、博識、友人の様な雰囲気でありつつ礼儀正しい、なるほどこういうタイプか」
#三行詩 20241208
「何やら話しが怪しくなってきた、資産家の息子と自称し、家賃収入で食べていける物件の紹介を」
「見かけ金持ち息子風、不動産の話しがメインらしく、ますます流暢に、巧みな話術を繰り広げる」
「絶対儲かる、大手じゃない魅力、借金を返せる、そして家族連れ夫はいう、何とかなるかも」
#三行詩 20241208
「家賃だけで食べていける、サラリーマンでは実現出来ないお金持ち世界が、今なら紹介出来る」
「自信に満ちた笑顔で実は早いもの勝ちですと述べる営業マン、家族連れ夫の声は興奮を隠せない」
「夫は夢をみている、横に座る奥さんと幼子をチラリと見つつ悪夢になりませんようにと思いながら店を出た」
#三行詩 20241208
「需要と供給の合致か、サラリーマンで借金があり家族連れで喫茶店に来る夫」
「有数の資産家を父に持つ、会社を経営している、全て実名を述べず、笑顔で、富裕層を紹介するのが私の仕事と述べる営業マン」
「駅前の人の混み合う喫茶店でする話しだろうか、世の中、一寸先は闇なのだ」
#三行詩 20241208
○月曜日の朝、通勤
「考えれば4年かけて白文を読めるようになった」
「次は六法全書へ、要はマニュアルだ」
「法治国家に住んでいる、10年かかろうが甲斐はある」
#六法全書 令和6年版 (単行本)
#三行詩 20241209
「訴訟マニアである友人を思い出す、高卒で独学だがガンガン訴訟する」
「そもそも訴えた(瑕疵無しのみ)段階で先方は弁護士費用で詰む」
「文書代と時間飛ぶが負けて当たり前、場数踏むと誰でも強みへ」
#三行詩 20241209
【言葉】本人訴訟(ほんにんそしょう)
弁護士を雇わず、自身で裁判を行うこと。
・メリット
* 費用削減: 弁護士費用がかからない。
* 当事者意識: 裁判の全過程に関わり、問題を深く理解できる。
・デメリット
* 時間と手間: 法律手続きは複雑で、多くの時間と労力が必要。
* 専門知識不足: 法律の知識が不足していると、不利になる可能性がある。
○火曜日の朝、通勤
「寒い朝は不思議と脳裏にブラームスが響く、一方で夏はバッハが多いのは何故だろう」
「クラッシック音楽を好むのは父の影響であり、幼少期に聴かさせれたからと思われる」
「レコード、カセットの時代ながら、不思議と今より音楽が充実していた、音に匂いを感じた」
#三行詩 20241210
「音に匂いとは何だろう、音楽の世界の匂い、レコ芸の紙の匂いと批評欄を眺める楽しみ」
「旧式大型スピーカの奏でる重厚な音、ステレオセットの余り意味がないメーター欄の針の動き」
「どの曲も初めて聴ける喜び、父親の書斎の匂い、子供の頃が匂いで記憶に残っている」
#三行詩 20241210
○水曜日の朝、通勤
「俯瞰図で見ると自宅から駅まで自転車の灯、そこから電車の灯、そして大都心に呑み込まれる」
「ふと、ズォーダー大帝の白色彗星を思う、悪役登場は何故、バロック音楽短調なのだろうか」
「自宅に灯る小さな明かりは、一回りして自宅に戻り消灯する、いつか暗いままの日を迎えるまで」
#三行詩 20241211
○水曜日の朝、乗り換え
「バットマンの両親こそアメリカの良心なのだ、そしてそれは踏みにじられ、ヒーローが登場する」
「善々していない、悪の仮面を被る善は時代の求める救世主像でもある」
「ヒーローの活躍は多様性の娯楽の一つとして世界中で消費され、一神教の正義が世界のスタンダードと化している、そうして私たちの価値観は、常に何処かで矯正されている」
#三行詩 20241211
「では、多神教、農耕民族である私たち東アジア地域での正義とは何だろう」
「スーパーマンと化した正義の使徒などは、私たちの世界では登場などしないものだ(スーパーマンと化した悪霊はいるが)」
「縦横の連なりを重視する、ご先祖から今があり、自然との調和を大切にする、和と礼を重んずる、本来、極端な正義など要らないのだ」
#三行詩 20241211
「仮に、平清盛公が仮死から蘇り、パワードスーツを装着して、壇ノ浦の戦いに駆け付けてもだ」
「音速で飛行し、両手からリパルサー・ビームを放とうが時代の奔流を変えることは出来ない」
「一神教の絶対神は奇跡を起こす、一方で東洋思想では自然の摂理と連なりを大切にし、平和を神々に願う、私たちは彼らとは根本から違うのだ」
#三行詩 20241211
「極端な正義とは、それを被る立場に於いて純粋なる悪に等しい」
「多様性を否定する、ナチス、スターリン、ポル・ポト、以外にも歴史書を開けばあちこちに登場し、その末路が述べられている」
「独裁者、専制君主、世襲制、全体主義者、等々が世界中で蘇りつつある、今、ここの可怪しさに気付かねばならない、対岸の火事ではない」
#三行詩 20241211
「いつの間にか真綿で絞められている様な感覚、閉塞感、文化的ヘゲモニーとは、今、ここの話しであり、過去ではない」
「情報統制による偏向報道、ポピュリストの台頭、グローバル化という名の均一化、それらの同調圧力」
「儒学を学ぶと真実が見える、忠恕こそ人の本来のあるべき姿、そこから『切切偲偲怡怡如也』に至るのに、離れるばかりではないか」
#三行詩 20241211
○木曜日の朝、通勤
「戦前・戦中の道徳と書くと、かの悪名高き戦陣訓が浮かび無意識下で戦災の炎と重なる」
「江戸時代の道徳と書くと、朱子学の何とも言えない理詰めの堅苦しさ、お上の為的なイメージ」
「大塩平八郎の乱が浮かぶのは大阪府民であるからかも知れない、何れにしろ儒学の振興は難しい、連なりに欠き、過去を検証、継承されず、学ぶロードマップは穴だらけなのだ」
#三行詩 20241212
「朱熹が編集した『小学』という書がある、子ども、初学者向けに書かれている」
「内容は素晴らしい、しかし男女差別(当時は普通の、棲み分け的か)や朱子学、独特の堅苦しさは否定出来ず、現代で通じるのかは難しいと思う」
「要は、孔夫子の、孔夫子の世界の魅力が伝わらない、儒学はマニュアルではない、夫子の思いを、忠恕を継がなければ面白味を理解するのは難しい、と思うのだ」
#三行詩 20241212
「経営者や教育者が書く論語より、時代はラノベ作家と絵師付き論語を求めているのではないか」
「異世界転生でも良い、全体ではなく青年篇とか外遊篇とか、子路の門弟のスライムなら武侠ものだし、宰我王道物語も面白そうだ」
「新しい時代には新しい論語が必要だ、孔夫子の思い、忠恕が伝わるのならば、経書に拘らなくても良い(勿論、異論であるのは認める)」
#三行詩 20241212
○金曜日の朝、通勤
「ちくまの『カント新書』を読んでいるが進まない、入門新書ですら難解と感じる」
「最初にカントの似顔絵が載っている、空想のドラキュラ伯爵そっくりに思う、そんなお顔だ」
「リアルでは人生悲喜劇ドラマが皆無の書斎の人だったらしい、興味深いが項は進まない」
#三行詩 20241213
○金曜日の朝、電車内
「混み合っている、巨大なウシガエルを思わせる様な人が座る前に立つ、くしゃみと咳、飛沫の臭い」
「これ以上空気(臭い)を吸い込まぬように三歩後ろへ、しかし横には昭和ポマード全開臭の人が座っていた」
「朝から嗅ぎたくない臭いばかり、要はハズレだ、幼少期から鼻が効く、犬猫の匂いは平気だが、彼らは好みではない」
#三行詩 20241213
「初見で人から抱かれるイメージとは、後の関係に濃厚に影を残す(初頭効果)、且つ抱いた印象は安定化してしまう」
「妻がいうには、私は漫画『男おいどん』に登場するトリさんらしい、確かに言い得て妙か」
「妻の第一印象はおいどんである、因みに子は(親バカなので)キャプテンハーロックということになっている」
#三行詩 20241213
○金曜日の夜、梅田、紀伊国屋書店
「ウイトゲンシュタインの言葉とは、まるでベートーヴェンピアノソナタ第十番『月光』、沈み込む様な無常感を感じさせる」
「格が違う、匂う様な文章とは、他に思いつくのホメロスの『イーリアス』くらいではないか」
「内省的だ、全てに救いない暗さが付き纏う、その意は、人の葛藤と混乱、暗闇を見事に照らす、レントゲンの様な白黒ではあるが」
#三行詩 20241213
哲学宗教日記 1930-1932/1936-1937 (講談社学術文庫 2844)
所感)
■冬ごもり、続く
週末は食べて、寝る、繰り返す。
幾本の映画とドラマ、アニメを流し観、しながら暖かな布団の内で過ごす。
寒いと眠たくなる、起きると食べる、太る。
そういうことらしい。