書き下し文)
文言に曰く、
元は善の長なり。
亨は嘉の会なり。
利は義の和なり。
貞は事の幹なり。
君子は仁を体すればちって人に長たるに足り、
会を嘉すれば言って礼に合するに足り、
物を利すればもって義を和するに足り、
貞固なればるって事に幹たるに足る。
君子はこの四徳を行なう者なり。
故に曰く、乾は元亭利貞と。
意訳)
文言伝にいう。
乾の四徳、元・写・利・貞とは、
元は物が生まれる元とする。
人の徳で述べれば最高至善の仁となる。
故に善の長とする。
亨は物を生み育ち通すはたらき。
人の徳でいえば秩序を表す礼に当る。
利は物を育て遂げさせるはたらき。
人の徳でいえば義にあたる。
貞は物を育て成就させるはたらき。
人の徳でいえば智にあたる。
智は物ごとを成しとげるための根幹とする。
君子とは、仁の徳を修めれば人の上に立つに足る。
嘉しきことを得れば、礼にかなうに足る。
各々に利を得させ中庸であれば、義にかなうに足る。
智によって物を成就させ、揺るぎなきようにすれば、事の根幹となるに足る。
君子とは、天の四徳、仁、義、礼、知を行う者にほかならない。
故に「乾は元亨利貞」という。
所感)
■留学
孔子は易経を読むにあたり、竹簡の紐が劣化しバラバラになるくらいに読み込んだとの逸話が伝えられている。
易経の書のレビュー記事を読めば、四書、つまり大学、論語、孟子、中庸を学び、易経にたどり着くコースは、そう珍しくはないらしい。
私の学問の道のベース基地は孟子であるが、易経にしばらく留学するのも良いのではないかと、思い始めている。
今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。