四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

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孟子 公孫丑章句

孟子 天の時は地の利に如かず

書き下し文) 孟子曰く、 天の時は地の利に如かず。 地の利は人の和に如かず。 三里の城、七里の郭、環りて之を攻むれども勝たず。 夫れ環りて之を攻むれば、 必ず天の時を得る者有らん。 然り而して勝たざる者は、 是れ天の時地の利に如かざればなり。 城高…

孟子 仁者は射の如し

書き下し文) 仁者は射の如し。 射る者は己を正しうして後に發す。 發して中らざるも、 己に勝つ者を怨みず。 諸を己に反求するのみ、と。 孟子 公孫丑章句 意訳) 孟子はいわれた、 仁者の人の有り様とは、弓を射る人と均しい。 弓を射る人は、自らの姿勢を…

孟子 子路は人之に告ぐるに

書き下し文) 孟子曰く、 子路は人之に告ぐるに其の過ちを以てすれば、則ち喜べり。 禹は善言を聞けば、則ち拝せり。 大舜は焉れより大なるもの有り。 善きこと人と同じければ、己を捨てて人に従い、 人に取りて以て善を為すを楽しめり。 耕稼陶漁より、以て…

孟子 我善く吾が浩然の気を養うと

書き下し文) 敢えて問う。 夫子悪にか長ぜる。 曰く、我言を知る。 我善く吾が浩然の気を養うと。 敢えて問う、何をか浩然の気と謂う。 曰く、言い難し。 その気たるや、至大至剛、直を以て養いて害なうことなければ、則ち天地の間に塞ちる。 その気たるや、…

孟子 何をか言を知ると謂う

書き下し文) 何をか言を知ると謂う。 曰くヒ辞はその蔽わるる所を知り、 淫辞はその陥る所を知り、 邪辞はその離るる所を知り、 遁辞はその窮まる所を知る。 その心に生じれば、その政に害あり。 その政に発すれば、その事に害あり。 聖人復起こるも、必ず吾…

孟子 人皆人に忍びざるの心有り

書き下し文) 孟子曰はく、 人皆人に忍びざるの心有り。先王人に忍びざるの心有りて、斯に人に忍びざるの政有り。人に忍びざるの心を以て、人に忍びざるの政を行はば、天下を治むること之を掌上に運らすべし。 孟子 公孫丑章句 意訳) 孟子がいわれた。 人は皆…

孟子 孺子の将に井に入らんとする

書き下し文) 人皆人に忍びざるの心有りと謂ふ所以の者は、 今人乍ち孺子の将に井に入らんとするを見れば、皆怵惕惻隠の心有り。 交はりを孺子の父母に内るる所以に非ざるなり。 誉れを郷党朋友に要むる所以に非ざるなり。 其の声を悪みて然するに非ざるなり…