書き下し文)
孟子曰く、
其の心を尽くす者は、其の性を知るべし。
其の性を知らば、則ち天を知らん。
其の心を存し、其の性を養うは、天に事うる所以なり。
妖寿(天命)違わず、身を修めて以て之をまつは、命を立つる所以なり。
孟子 尽心章句上
意訳)
孟子はいわれた。
自らの本心である側隠・羞悪・辞譲・是非の四端の心を尽くす者は、人の本性が善であることを知る。
人の本性が善であることを知れば、天を知ることとなる。
そこで、天を知り、
自らの本心である四端の心を尽くし、
本性を善のままに養えば、
則ち、天につかえることとなる。
故に、短命もよし、長寿もよし、
ただ天の命に順じ、我が身を修め、命を待つのみ。
所感)
■言葉
四端の心
惻隠、あわれみの心、思いやりの心、仁。
羞悪、自らの不正や悪を憎む心、義。
辞譲、お互いに譲りあう心、礼。
是非、ものごとの良い悪いを見極める心、知。
■学問の道
人の世に生まれ、人としての本心(四端の心)を理解し、日々これを修める。
心は常に安定し、乱れることもない。
また、貧富貴賤に囚われることもない。
天とともに我が身があることを喜び、日々を楽しむ。
あわれみの心、思いやりの心、仁の心。
今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。