四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

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孟子 君子の亮わらざるは

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書き下し文)

孟子曰く、

君子の亮わらざるは一を執ることを悪めばなり。

孟子 告子章句下

 

意訳)

孟子はいわれた、

君子とは、何ごとにも決め付けをせず、状況に応じて物ごとを図る。

その時、その場で正しいからといっても、一つのことに拘泥することを悪とする。

一つの正しさを全体で視ると、必ずしも仁の心と義の道に適するとは限らない。

 

所感)

■哀しい現実

正しいから、文句をいってよい、

正しいから、無礼な態度でよい、

一方通行の正しさを日常生活でも見かける。

料金は払っているから、スーパー銭湯の湯船やサウナで大声で会話し、大袈裟なくしゃみをして奇声をあげる。

市民だから、公園の通路の真ん中で、集団でスケボーのジャンプを繰り返し、通行人に当たりそうになると、指を立てて通行人を威嚇する。

彼らは、学校や大学では良き仲間たち、家庭では良き子供たちなのであろうか。

集団ではなく、一人の時にも奇声をあげ、通行人に指を立てれるのだろうか。

卒業して社会に出て、同じ様に奇声をあげ、指を立て、どのような顔で働くのであろうか。

周囲はトラブルを恐れなにも言わず、スーパー銭湯の店員さんや公園事務所職員も、見て見ぬ振りをする現実。

ただ、哀しい。

 

今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。

#儒学 #孟子