1)森の中、金木犀の香りにて、
ここで一句、
老いて今、昔を包み、
行く幾とせも、香り咲く。
2)朝のウオーキング、推定角度45度の朝日をみて、ここで一句、
眩しさと、秋の紅、深呼吸、
道ゆく人の、顔も輝く。
3)秋の梅園、
ここで一句、
木漏れ日と、梅の木々、
冬支度を終えた、枝と幹、
風に揺られて、春まで眠れ。
4)体重計を前に、
ここで一句、
歩いても、歩いても、
太り続ける我が身体、つまむお腹は片手に余る、
なら走ろう、走ってみれば、
膝と腰、
キリリと痛みびっこ引く、
いいだろう、
ナイスなデブも悪くない、
何がナイスか、そこが困った。
5)ガチャガチャを前に、
ここで一句、
幼子の喜ぶ声、
うわーっ!
目を細めるお父さん、
あった、あった、我が子にも、
今や、スマホにパソコン、プレステ5、
財布に厳しく未購入、
迫るサンタと真っ赤な家計簿。
6)森の中、
ここで一句、
森の中、落ち葉踏みしめ、風が吹く、
枝より枯れ葉、舞い落ちて、
鉄郎旅した、枯れ葉の星を思い出す。
7)森の中、
ここで一句、
つわものどもが夢の跡、
落ち葉とともに朽ち果てるドングリよ、
つわものとの記憶はないが、
森とともに眠れ。
8)旅の果てを思い、
ここで一句、
大海を越え、砂漠を渡り、草原を駆ける。
年老い、今や、街の一灯と化す。
思う、
悔いなし。
この志、一家伝来なり、
幼き我が子の瞳に宿る炎こそ、我なり。
9)夕方のウオーキングにて、
ここで一句、
昔々、暗やみは怖かった、
昔、暗やみにはなにか居た、
今、暗やみは単なる暗やみになった、
なんてつまらないこと。
10)エピクテトス、
ここで一句、
人を嫌う人よ、
人を嫌う人を嫌う人よ、
人を嫌う人を嫌う人を嫌う人よ、
共に人を嫌わぬよう、ただ願おう。
11)マルクス・アウレリウス、
ここで一句、
運命、運命、運命、
我らは、ここで朽ちるとも、
運命とともに朽ちはて、
ここに安らぎを得るを幸とする。
12)土曜日の朝、ウオーキングにて、
ここで一句、
歩む住宅街、微かなコーヒーの香り、
おはようございますの挨拶、
二日酔いと無精ひげ。
13)森の中の落ち葉、
ここで一句、
昔、落ち葉を踏みしめた、
霜を踏んでみた、
雪を丸めた、
若草の上に座った、
桜の花びらが舞い落ちた、
バラの花びらが敷きつめられた、
キノコがあちこちに生えた、
夏草が生い茂った、
柿栗どんぐり地に落ちた、
今、落ち葉を踏みしめた。
14)森の中、
ここで一句、
大きな木を見つける、
幹の太さは、回した両手を超えた、
人の来ない、森の奥で見つけた、
緑地となる前、
大きな戦争の前、
ここいら一帯は大きな、大きな森だった。
15)最初はこの句から、N氏に捧げる。
ここで一句、
nかふや、秋の夜長に、nの二乗とココナッツ。
16)日向ぼっこ、
ここで一句、
天高く、高く、高くと飛んでみた、
上空寒し、風強し、
夢から覚めれば、秋の夕暮れ。
17)日向ぼっこ、
ここで一句、
ぽかぽかと、日向まどろみ、芝生で寝ころぶ、
芝生の匂い、コスモスの花、家族の笑顔。
18)秋の梅園、
ここで一句、
木漏れ日と、梅の木々、
冬支度を終えた、枝と幹、
風に揺られて、春まで眠れ。
19)日曜日の夜、
ここで一句、
なんてこったい、休みが終わる、
なんてこったい、月曜迫る、
でもね、本当はわかってる、
イエーイ!
働ける喜び、
帰れる家がある喜び、
毎日会える家族との喜び、
武器を持たずとも安全な喜び、
ミサイルが飛んでこない喜び、
独裁者と狂信者がいない幸せ。
20)森の中で、
ここで一句、
大きな、大きな木を、一本見つけた、
幹の太さは、回した両手をこえた、
人の来ない、森の奥で見つけた、
森が今の緑地となる前、
昔あった大きな戦争の悲惨な空襲の前、
この辺り一帯は、大きな、大きな森だったという。
21)月曜日の朝、
ここで一句、
いつもの帽子、ない、
飛び出してくる自転車、いらん、
信号は赤いまま、変われ、
通勤電車のお馴染みさん、いない、
見慣れぬよそ者、席奪われる、
耳障りなお喋り、うるさい、
がなりたてる車掌さん、耳痛い、
や、り、な、お、し、
電源オフ+復活の呪文を唱えよう。
22)JR大阪駅にて、
ここで一句、
完全装備、マスクと手袋、
カバンの横ポケットに見える消毒液、
気温18度にダウン装備で現れた、
惜しむらくは、
咳とくしゃみ、鼻水鼻詰まり、具合悪そう、お大事に。
23)通勤路にて、
ここで一句、
朝焼けに、
歩む行列勤め人、
無言で思う、今日の仕事。
所感)
■ここで一句
Twitterにて、スペースなるものがある。
ここで、同学の諸先輩方とお話しする機会を得たことは、前に述べた。
ここで、俳句にインスパイアされる機会を得た。
私の句は、俳句なのか、川柳なのか、詩なのか、
正直よくわからない。
ただ、心の思うがままに述べていいらしい。
今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。
#自由律 #短歌