1)月曜日の朝、「月曜日」
出勤前の自宅にて、
「家族の寝顔そっと見て、起こさぬ様にと、朝の支度」
「出勤前に今一度、我が子の寝顔見て、扉に向かう」
「休み明け、まず思うはマスク痒し」
「いつものホーム、いつもの電車、いつもの隣人、よしスタート」
「さっそくよそ行きの仮面を被る」
2)月曜日の朝、「通勤」
通勤路、梅田連絡橋にて、
「朝の行列連絡橋、後ろ姿を追いつ追われつ駅へ向かう」
「電車乗り換え近づく会社、思うは昨晩読んだ孟子の一節」
3)月曜日の朝、「通勤」
環状線にて、
「何処で見た映像の記憶、朝、永遠と環状線に乗り続ける人、その心中への共感とそれを否定する理性」
4)月曜日の夕方「仁」
孟子曰く
仁の不仁に勝つは、猶ほ水の火に勝つがごとし。
告子章句
「天ぷら油火災に、一杯の水(爆発)の如き、仁の人」
「自らの仁の少なさを嘆かず、人の不仁を責める、仁の人」
「仁(水)とは源泉(心)あってこそ」
5)月曜日の夕方、「ここ」
孟子曰く、
其の心を尽くす者は、其の性を知るべし。
尽心章句
「万人に備わりし、思いやりの心こそ、天と理、即ち、今、ここ」
6)月曜日の夜、「ド、ド、ド」
カール・リヒター指揮、ミュンヘン・バッハ管弦楽団、J・S・バッハ、管弦楽組曲第2番、第3番、ブランデンブルク協奏曲第5番、
「こういうのがいい、これこそクラッシックの、超ド、ド、ド、ド級定番、リヒター指揮のバッハは人類の至宝」
7)火曜日の朝、「かくまう」
母子喧嘩(月曜日の夜)、
「やぶ蛇の愚は犯さない、ましてや虎の尾を踏むなど、ふふふふ」
「寝るが勝ち、いびき(技)をかいて、父は夢の中」
「父の布団に逃亡中の子を、かくまうはせめてもの情け」
8)火曜日の朝、「夢」
悪夢、
「ひたすら薬を飲ませられる悪夢、薬剤を飲むたびに壊れていく自分」
「目覚ましの音で起きるも、壊れてるからとスヌーズをオフにして寝る」
「…まだ、壊れてなさそうなので、暗闇の中、いやいや起きる」
9)火曜日の夕方、「源泉」
孟子曰く、
慮らざるの譽有り。
全きを求むるの毀有り、と。
離婁章句
「毀誉褒貶に囚われず、ただ、己の仁の心、思いやりの心の源泉を、日々、深く掘り下げること」
10)火曜日の夕方、「自分自身」
ストレス、
「他人にいらつく自分にいらつく」
「省みて、他人におもねる自分あり」
「思いやりの心、正しき道、自分自身」
11)火曜日の夜、「クラヴィーア曲集」
グレン・グールド、J・S・バッハ、平均律クラヴィーア曲集、前奏曲とフーガ第2巻、
「白と黒、0と1、究極の音の連なりに、ただ、声を失う」
12)水曜日の朝、「通勤」
JR大阪駅のホームにて、
「持ち味を活かす、当たり前の顔をする」
「人間嫌いが、人間を嫌う」
「人生劇場、まだ劇場版とは程遠い」
13)水曜日の夕方、「学問」
孟子曰く、
王何ぞ必ずしも利を曰はん。
ただ仁義あるのみ。
梁恵王章句
「私利私欲と天下王道、心のシーソー傾くは、未だ一人の私利私欲」
「孔子の教え二千五百七十二年、今日一日も向き合うは学問の道」
14)水曜日の夕方、「人間関係」
もともと、それほど出来た人間じゃない、と、開き直る。
「スカッと爽やか、ウソ偽りなき言動こそ、日頃の行いがものを言う」
「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」
15)水曜日の夜、「返歌」
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿といわれ、なら馬鹿っぷり極めてみせようぞ」
16)水曜日の夜、「グールド」
「こういうのがいい、人まねせずに自分一色」
「異端と称された演奏なれど、これもまた、紛れもなきモーツァルト・ピアノソナタ」
17)木曜日の朝、「当たり前」
いつもの通勤風景、
「いつもの日常、得難き幸運、人生綱渡り」
「入院して初めてわかる、当たり前の難しさ」
「リタイアしても、周りは変わらぬ普通の風景」
「病室から見る、通勤する人帰る家毎日会える家族」
18)木曜日の夕方、「鍋」
孟子曰く、
均しく是れ人なり。
告子章句
「大根、じゃが芋、つくね、がんもどき、薩摩揚げ、白瀧、人もいろいろ」
「鍋で煮込めば味も出る、人皆心正せば天下治まる」
19)木曜日の夜、「道」
子曰く、
学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや。朋有り遠方より来る、亦楽しからずや。人知らずして慍らず、亦君子ならずや。
論語 学而一
「学問の道と日頃から言うも、学而一にて全て語られていると、今、気付く」
「嬉しいこと、楽しいことこそ学問の道」
20)木曜日の夜、「エトヴァス」
福永版老子、購入する。
「老子、難解なり、再び福永版のエトヴァスに打ちのめされる」
21)木曜日の夜、「記憶」
W・A・モーツァルト、フルートとハープの為のハ短調、クラリネット協奏曲}イ長調、亡父の形見の一枚。
「父の書斎、父の整髪料の匂い、窓からは冬の陽だまり、クラリネット協奏曲の旋律、中学生の頃の記憶」
22)木曜日の夜、「返歌」
「同じく大の医者嫌い どうしようもなくなっていつも怒られる」
23)金曜日の朝、「人」
人に囲まれ人に酔う、
「自分自身も持て余す中、ましてや見知らぬ人」
「結局人一人では生きて行けぬと、今日も人混みの中に身を投じるは業としか」
「生きることが業、如何ともしがたし、ただ仁の心を思い、義の道を歩むのみ」
24)金曜日の朝、「通勤」
通勤時に電車待ちのホームにて、
「他人の反応で自身の確認、自己確立の難しさ」
「人の成長エンドゲーム、一人で自己崩壊か共同体内での自己喪失か」
「我々はなんであれ苦しむように出来ている」
25)金曜日の夕方、「水」
孟子曰く、
人の性の善なるは、猶水の下きに就くがごとし。
告子章句
「水を叩けば宙に水滴、一滴の行く先もまた水」
26)金曜日の夜、「返歌」
Twitter「にじをみた」さんの自由律俳句への返歌、
「生きる為に喰らう 血を啜り酒を呷る」
「お幸せにお幸せにと言っても自らは幸せではない人」
「夢見て夢叶わず 夢の中で夢見る人」
「今日は牛肉じゃん、と喜ぶわが子と誇る父」
「怒り爆発最後まで、捨て身に不可能なし」
「世の中全てを、望むがままに」
「真夜中に、いろんな線を描いて、ぐっすり眠る」
「もし・たら・ればを頼みに生きる命もあり」
「グラスに注ぐウイスキーに絶望を感じつつ杯をあける」
「実はレベル255だけど、レベル3のふりをして初期装備で今日も冒険する」
27)金曜日の夜、「タンゴ」
J・S・バッハ、バルテイータ全曲、プレリュード&フゲッタ集、グレン・グールド、
「哀愁を帯びた旋律、どこかで聴いた民族音楽の調べ、そう、黒ネコのタンゴ」
28)土曜日の朝、「歩く」
ウオーキング中に出会う人、
「通り過ぎる人の心、ふきだしにて見えたら如何」
「良く見れば、顔から動作から、人の心はふきだし要らず」
29)土曜日の朝、「日向ぼっこ」
お気に入りのベンチにて日向ぼっこ、
「繰り返し読む度に新たな学びと新たな謎が生まれる孟子かな」
30)土曜日の朝、「志し」
孟子曰く、
自ら返りみて縮(直)くんば、千万人と雖もわれ住かん。
公孫丑章句
「志しこそ人の眼目、省みれば、己も小さな志しあり」
「齢五十にして、儒学を学び自らを磨き上げんと志す」
「省みれば、志しに反する行い多数あり、今、ここから改める」
所感)
■学問の道
金谷版の孟子を暇さえあれば読み続けている。
読む度に学びがあり、そして疑問が生じる。
意訳は、一旦中断する。
書き下し文を、繰り返し声に出し、内容を深く考えるだけでも時間が溶けていく。
生じた疑問は明治書院版や岩波文庫版の孟子、吉田松陰先生の講孟箚記、伊藤仁斎先生の語孟字義を参照するが、これもまた、時間が溶ける。
同時に関連する論語(明治書院版・岩波文庫版・大修館書店版・伊藤仁斎先生の論語古義)も読む。
学問とは、なんと楽しいことか。