書き下し文)
孟子曰く、
慮らざるの譽有り。
全きを求むるの毀有り、と。
孟子 離婁章句上
意訳)
孟子はいわれた、
時に、思いもよらない栄誉を得ることもある。
時に、万全を期しても非難を受けることもある。
誉れ、毀りに左右される、世の中の評判や不名誉を気にしてはいけない。
ただ、思いやりの心、仁を深く広げるのみ。
所感)
■心の中の拠り所
世の中生き続けていると、心の中になんらかの拠り所が生まれる。
曰く、両親との思い出、家族の笑顔、
曰く、歴史上の人物の遺した言葉、
曰く、学生時代に夢中になったもの、
曰く、図書館、本屋、古本屋、本のある所、
曰く、新スタートレック、全シーズン、
曰く、何百回繰り返し観ている同じ映画、
曰く、ヴィルヘルム・バックハウスの演奏
曰く、古いファミコンソフト、
曰く、ロバート・A・ハインラインの世界、
曰く、我が子の誕生と成長、
曰く、音楽、映画、料理、スポーツ、漫画、ペット、旅行、武道、ゲーム、小説、温泉、、、
皆、それはそれで良いもの。
そして、思いやりの心、仁はこれら全てを包み込む。
仁とは、とてつもなく広く、深く、世の中全てを包み込むもの。
そして、天の思いやりの心、全てのものは仁に包まれているということ。
今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。