書き下し文)
孟子曰く、
人の其の言を易くするは、責無きのみ、と。
孟子 離婁章句上
意訳)
孟子はいわれた、
好き放題、勝手気ままに話す人とは、
自分に関係なく、責任を取る気など毛頭ないか、
あるいは自分の利益になることしか関心がなく、自分以外がどうなろうと、どうでもいい。
自分の世間的な体裁を保つ為に、薄っぺらい立派な言葉を発しているだけの、
つまらない小人・佞人の類いにしか過ぎない。
所感)
■徳なき世界
日本中にこのような類いの人はおり、自分の私利私欲の為に、どんな手を用いても地位や権力を我がものとする。
時には隣人であり、時には鏡に写る自分自身でもある。
仁と義の徳なき世界とはこのような醜態となり、天下は乱れ、世の民は苦しむ。
故に、私たち学問の徒は、日々、思いやりの心を大切にし、仁と義の徳を培い、我が心を常に正さねばならない。
今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。