四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

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大学 大学の道は明徳を明らかにするに在り

f:id:aristotles200:20210914200834j:plain書き下し文)

大学の道は、

明徳を明らかにするに在り、

民を親しましむるに在り、

至善に止まるに在り。

止まるを知りて后定まる有り、

定まりて后能く静かに、

静かにして后能く安く、

安くして万能く慮り、

慮りて后能く得。

物に本末あり、事に終始あり、

先後する所を知れば則ち道に近し。

大学 第一章第一節

 

意訳)

学問の道とは、

天より与えられた、自らに本来備わる徳を学問により明らかにすること。

その明らかになった仁、義、礼、知の徳に基づいた政治を行い、民を安らかに親しみ合うようにすること。

そして、国中安らかに親しむ合うようになった徳に基づいた政治を天下に至らしめ、善のままふみ止ませることにある。

つまり、

善にふみ止まることにより、善は世の中に定まり、

善が定まることにより、善は世の中を静め、

善が静まることにより、善は世の中で安んじ、

善が安んじることにより、世の中のことを正しく思い計らい、

世の中のことを正しく、思い計らえば、天下あまねく善を至らせる。

世の中のものごとは、本と末、終わりと始まりが必ずあり、

先にすること、後にしなければならないことを、日々、心得るようになれば、学問の道に近づいた証といえる。

 

所感)

■大学の道

儒学を最も端的に述べたとされる、四書、大学において、最も内容を凝縮したとされる、第一章、初めの書き下し文からの意訳。

四書・大学、とは、

数学の教科書のように、論理整然とわかりやすく儒学を述べている書であり、

その理は深海を覗き見るかのような、どれだけ深い内容があるか、覗いすら出来ないような深さを持つ書でもある。

儒学、学問の道おいて、登頂を目指す最初の山脈とされている。

予定ではあと2回、ベース基地の孟子を離れ、大学の意訳(登頂)に臨むとする。

 

今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。

#儒学 #大学