四端録

東洋思想に関して。四書を中心に意訳して所感を述べ、三行詩にて日々の出来事、思うことを記しています。

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 儒教・儒学へ

大学 古えの明徳を天下に明らかにせんと

f:id:aristotles200:20210914200742j:plain書き下し文)

古えの明徳を天下に明らかにせんと欲する者は先ずその国を治む。

その国を治めんと欲する者は先ずその家を斉う。その家を斉えんと欲する者は先ずその身を脩む。

その身を脩めんと欲する者は先ずその心を正す。その心を正さんと欲する者は先ずその意を誠に
す。

その意を誠にせんと欲する者は先ずその知を致む。

知を致むるは物に格(至)るに在り物格りて后知至まる。

知至まりて后意誠なり。

意誠にして后心正し。

心正しくして后身脩まる。

身脩まりて后家斉う。

家斉いて后国治まる。

国治まりて后天下平らかなり。

大学 第一章第ニ節

 

意訳)

堯・瞬の世に満たされていた徳を、再び世の中に復活させようと望む者は、

先に自らの国において、自ら明らかにした徳による政治を行い、よく治めた。

自らの国をよく治めようとする者は、まず、自らの一族を徳で満たした。

自らの一族を徳で満たそうとする者は、まず、一身を徳で修めた。

一身を徳で修めようとする者は、まず、一心を正した。

一心を正そうとする者は、まず、自らの意を誠にした。

自らの意を誠にしようとする者は、まず、自らの知を、天の理と同じくした。

自らの知を、天の理とする者は、天下の道に至り、天下の道に至る者は、天の理を知るに至る。

天の理を知るに至った者は、自らの意は誠となる。

自らの意を誠とした者は、一心が正しくなる。

一心を正しくした者は、一族を徳で満たす。

一族を徳で満たす者は、自ら明らかにした徳による政治を行い、国をよく治める。

自ら明らかにした徳による政治を行い、国をよく治めれば、

やがては、堯・瞬の世に満たされていた徳が、再び世の中に復活する。

 

所感)

■リベンジ

心のままに、書き下し文から意訳を行う。

この第一章、第二節には、「格物致知」という言葉がある。

宋代以降、儒学者のあいだで解釈をめぐり、儒教の根本問題として大論争の的となった、非常にぶっそうな言葉だ。

当ブログ、「大学に関して」で書いたが、当初は手も足も出なかった。

あれから、学問を重ね、孟子を繰り返し学び、今回リベンジを行う。

天の理、天下の道との意訳は、迷うことなく頭に浮かぶ。意訳後調べると陽明学派の解釈と近い。

伝習録は未読の為、興味を覚える。

この第二節は、流れるように意訳出来た。

第一節の意訳で頭を抱えたのが嘘のような感がある。

 

今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。

#儒学 #大学