書き下し文)
古えの明徳を天下に明らかにせんと欲する者は先ずその国を治む。
その国を治めんと欲する者は先ずその家を斉う。その家を斉えんと欲する者は先ずその身を脩む。
その身を脩めんと欲する者は先ずその心を正す。その心を正さんと欲する者は先ずその意を誠に
す。
その意を誠にせんと欲する者は先ずその知を致む。
知を致むるは物に格(至)るに在り物格りて后知至まる。
知至まりて后意誠なり。
意誠にして后心正し。
心正しくして后身脩まる。
身脩まりて后家斉う。
家斉いて后国治まる。
国治まりて后天下平らかなり。
大学 第一章第ニ節
意訳)
堯・瞬の世に満たされていた徳を、再び世の中に復活させようと望む者は、
先に自らの国において、自ら明らかにした徳による政治を行い、よく治めた。
自らの国をよく治めようとする者は、まず、自らの一族を徳で満たした。
自らの一族を徳で満たそうとする者は、まず、一身を徳で修めた。
一身を徳で修めようとする者は、まず、一心を正した。
一心を正そうとする者は、まず、自らの意を誠にした。
自らの意を誠にしようとする者は、まず、自らの知を、天の理と同じくした。
自らの知を、天の理とする者は、天下の道に至り、天下の道に至る者は、天の理を知るに至る。
天の理を知るに至った者は、自らの意は誠となる。
自らの意を誠とした者は、一心が正しくなる。
一心を正しくした者は、一族を徳で満たす。
一族を徳で満たす者は、自ら明らかにした徳による政治を行い、国をよく治める。
自ら明らかにした徳による政治を行い、国をよく治めれば、
やがては、堯・瞬の世に満たされていた徳が、再び世の中に復活する。
所感)
■リベンジ
心のままに、書き下し文から意訳を行う。
この第一章、第二節には、「格物致知」という言葉がある。
宋代以降、儒学者のあいだで解釈をめぐり、儒教の根本問題として大論争の的となった、非常にぶっそうな言葉だ。
当ブログ、「大学に関して」で書いたが、当初は手も足も出なかった。
あれから、学問を重ね、孟子を繰り返し学び、今回リベンジを行う。
天の理、天下の道との意訳は、迷うことなく頭に浮かぶ。意訳後調べると陽明学派の解釈と近い。
伝習録は未読の為、興味を覚える。
この第二節は、流れるように意訳出来た。
第一節の意訳で頭を抱えたのが嘘のような感がある。
今日、一日の読書を学問として、努め励みたい。
#儒学 #大学