原文)
孟子曰、舜之居深山之中、與木石居、與鹿豕遊、其所以異深山之野人者幾希、及其聞一善言、見一善行、若決江河沛然、莫之能禦也。
尽心句章上
意訳)
孟子はいわれた
昔々、舜(中国古代の聖人、五帝の一人)という人がいた。
中国の歴山と呼ばれる、山の奥深くに、一人暮らしていてた。
歴山の、深い、深い森の中に連なる大木や、そびえ立つ巨大な石の間で、
一人、眠たくなれば寝て、
気が向けば、森の中に咲く花を愛で、
鹿や猪といった森の中に住む生き物を、友として遊び、
何不自由なく、日々を楽しく過ごしていた。
その姿は、とても荒々しく、森の動物となんら変わらぬ様な有り様だった。
ただ彼は、他の山に住む野人とは異なる点が、二つあり、
一つは、善い言葉を聞けば、その通り行い、
一つは、善い行いを見るれば、その通り行った。
例えるのであれば、
長江や黄河といった海とも間違えるような大河が、溢れかえる大水により決壊し、
何人も防ぎくことは不可能な、まさに怒涛の様な勢い。
ただ、自分の聞いた善いこと、見た善いことを、行なったのだ。
それを防ぎ止めることなど、何人もにもできなかった。
所感)
■レジェンド登場
儒学の世界のレジェンド、偉大なる聖人、
スーパースター、瞬帝の登場シーン。
ポイントは、二つ。
善い言葉を聞けば、その通り行い、
善い行いを見るれば、その通り行う、
聖人とは、なんとシンプルでわかりやすいことか。
儒学の、仁という徳の、
最終形態を体現した偉大なる聖人の一人だ。
例えるなら、アニメ、ドラゴンボールの主人公、
と、
この続きは、次回。
孟子の意訳を行う章は、全章からランダムで選らんでいるので、
いつかは、この瞬帝の物語にも戻る。
私も、瞬帝の再登場を待ち望んでいる。
意訳していて、楽しくて仕方がない。